肩書を考える ―自信のある人とは―Ⅴ

「自分のことは自分でする。」という意味では、年を取ってからは女性の方が圧倒的に強いだろう。

女性の場合、身の回りのことは大抵自分でできるからである。

 

この「自分でできる。」ということの圧倒的なアドバンテージは、人生最後の最後にものすごい効き目として浮上してくるのだ。

例えば自分の周りで考えても、私も父もこの点はまるで弱い。

 

昔どんな高いポジションにいたとしても、何十億の資産を持っていたとしても、人生の終盤、まだ身体は動くのに、身の回りのちょっとしたことが自分でできなければ惨めである。

人は最低、食べる、着替える、移動する、排泄する、といった行為をすべてはしょることはできない。

 

こういった行為が、滞りなくできるうちは人間としての尊厳やプライドを守ることはできるだろう。

つまり、最低限の「自信」を持ち続けることは可能なのである。

 

しかし、この人間として最低必要な行動ができなくなれば、根本から「自信」というものが失われていくのではないだろうか。

で、昔、社会的ポジションの高かった人ほど、それが早めに訪れるのである。

 

 

つづく