かなり頓珍漢なことをやっていた?!?―「着道楽」?楽しく、面白く生きるのが、私の人生の目標(by石津謙介)―Ⅶ

ガチガチのルールがあるようで、結構着崩したところもあるのがIVYファッション。

中でも、革靴の素足履きというのは軽い衝撃であった。

 

その恰好を始めて見たのは、「TAKE IVY」というのは、1965年に出版されたアメリカ東部、IVYリーグの大学生の写真をつづった一冊の写真集だった。

写真集といっても、当時のものは粒子も荒く、現在のクオリティーから見て、お世辞にも質の高い画像とはいえないが、「アメリカの文化を何としても取り込んでやろう!」という熱気は伝わってくる。

 

さて、話が逸れてしまった。

とにかく、高校の頃まではファッションというものにまるで門外漢だった私が、大学生となって花の東京へ出たとき、ちょっとしたファッションのルールも心得ていなかったために、おそらく、かなり頓珍漢なことをやっていたのは想像に難くないのである。

 

今と違って、スマホなどなかったので、あの頃の映像はそんなに多くは残っていない。

けれど、数少ないその「証拠写真」を見てみるに、その「ダサさ」「ヒドさ」は否めないのだ。

 

前述のように、(つき合う前の)カミさんから借りた本を皮切りに、当時の雑誌、タウンウォッチング、さらに友人たちとの付き合い、ガールフレンド等々の影響によって、「着るもの」に対する意識はだんだん変わっていった。

大学生というのは、いわゆる青春時代ど真ん中でもあるので、「着るもの」も気になってしょうがなかったわけである。

 

大学時代、サークルとか友達付き合いの中で、さりげなくセンスの良かったのは、やはり東京出身の奴らだった。

全国から学生が集まっている私が通った大学は、伝統校ではあったが、地方出身者が多く、どちらかといえばダサい学生の方が目についたのである。

 

70年代、ヒッピー文化などというちょっと変わったブームのようなものもあった。

しかし、私自身はそんなものにも大して影響されることもなく、学生には最もしっくりくるIVY、トラッドファッションを受け入れていった。

その後、この基本路線はほぼ変えることなく、この年まで来ている。

 

なんてことない恰好にも憧れたわけで・・・・

 

つづく