消費者の生活との乖離「6月に秋冬物」―踊らされないためには・・「仕掛け」に乗るのか乗らないのか!?―Ⅲ
ファッション業界の重鎮であるジョルジオ・アルマーニ氏自らが、この業界が長年抱えてきた課題について、今回の新型コロナウイルス禍を機会に改善すべきと声を上げた。
こういった声を受けて、ほかのブランドや業界はどう動くのであろうか。
その動きについて、この記事では以下のような具体的な事例を紹介していた。
― イタリアの有名ブランド「グッチ」は新作発表を年5回行なってきたが、デザイナーのアレッサンドロ・ミケーレ氏は5月初め、自身のインスタグラムで2回に減らすと発表した。―
「グッチ」は、買ったり身につけたりしたことはないが、もちろん名前は知っている。
近年、上記のように次々と新作を世に出して、若者を中心に人気が高まっているらしい。
雑誌に特集されているのを見たこともある。
それにしても、年間5回も新作を発表しているとは思わなかった。
ほぼ2ヶ月に1回というのは、相当なエネルギーを要するのではないか。
その回数を減らすというのも当たり前の話だろう、と思う。
そもそも、ファッション業界というのは、どういうサイクルで動いていたのであろうか。
我々素人にはいまいちよくわからないところがある。
そのサイクルとそれが抱えている問題点について記事の中では「6月に秋冬物」という小見出しで次のように書かれていた。
―今では春夏物が1月から、秋冬物が6月から店頭並ぶのが当たり前となり、
「着たいと思った時に、気候に合った服が販売されていない。」
という、消費者の生活との乖離が指摘されている。―
私も季節に応じて服を買うことはあるが、私などがデパートに行って買う分には、上記のように流行や新作を半年も前に「早取り」してまで手に入れる、ということはない。
またそこまでして、ファッションの先陣を切りたいなどとも全く思わない。
ただ、年々、バーゲンに入る時期が早くなっているなあ、とは感じていた。
真冬になる前に冬のセール、盛夏に入る前に夏のセールと、こちらとしてはありがたいタイミングのセールだが、業界は大変なのでは、と思っていたのだ。
つづく