売上を伸ばしていくのは「情報発信」を続けて行った事務所―そろそろ「いい商品なら売れるはずだ論争」に結論を出すべき時―Ⅱ

顧客の数をどんどん伸ばしている事務所と、どんどん減らしている事務所に分かれて2極化が進む我々会計事務所の業界。

いったいどのような現象が起きているのでしょうか。


世の中に、資格を取って開業したばかりでキャリアはないが、初めからHP(ホームページ)などは怠りなく作り、曲がりなりにもコツコツと「情報発信」を始めた事務所があったとします。

おそらく、近年新しく開業する税理士でHPを持たないで出発する人などいないでしょう。


一方で、もう何十年のキャリアを積み重ね、様々な税務の事例にもあたり、経験豊富ではあるけれどHPもなく特に何の「情報発信」もやっていない事務所があったとします。

そんな馬鹿な!と思われるでしょうが、驚くことに、我々の業界ではまだこんな事務所が存在するのです。


さて今後、どちらの事務所が売上を伸ばしていくでしょうか。

まあ言うまでもないことですが、売上を伸ばしていくのは、前者のまだキャリアはないが「情報発信」を怠りなく続けて行った事務所ということになります。


いったい何故こんなことが起こるのでしょうか。

これまた言うまでもないことですが、後者の事務所は、極めて限定的な範囲でしか、その存在を誰も知る由もないからです。


そもそも、「情報発信」をしていなければ、キャリアがあろうがなかろうが、場数を踏んでいようがいまいが広く世間に知られることはありません。

まだ「顧客」ではなく、「顧客候補」という潜在的な存在として想定したとき、知られていなければ選びようがないのは自明の理なのです。


これに対して、

「いや、そんなことはない。そもそも会計事務所は、昔から『口コミ』で選ばれてきた。HP程度で信頼を得られるものではない。」

という意見を言う人もいるでしょう。

このご意見は、冒頭の「いい商品なら売れるはずだ。」という考えに似ています。

 

 

つづく