製造業はどうにかならないのか?!?―何故、国産回帰できないのか?―Ⅱ

製造業はもっと国内回帰すればいいのに・・・と、私も思い、ほかにもそう考えている人は多いいようだ。

そんな多数の意見がある中で、経済評論家の加谷 珪一氏によれば、ことはそう簡単ではないらしい。

 

引き続き彼のコラムには次のように書かれていた。

―日本が多くの製品を海外に依存してきたことの背景には、国内経済の慢性的な低収益構造があり、ここに手を付けなければ、「国内回帰せよ!」と声高に叫んだところで問題は解決しない。今回のコロナ危機は、日本社会が見て見ぬフリをしてきた不都合な真実を露呈したともいえるだろう。―

 

ん?慢性的な低収益構造?・・・

しかも、製造業における、ではなく「国内経済の・・」と言われている。

日本は経済全体が低収益構造なのか? 

 

確かに人件費の安い海外で生産することで、日本は多くの廉価な商品を調達してきた。

しかしそれは、日本だけに当てはまる構造ではなく、世界の多くの先進国がそうやって調達していたのではないのか。

 

そういった日本経済の背景について解説する前に、加谷氏は今回のマスク不足について

「一向に解消しないマスク不足」

というタイトルで次のように述べておられる。

 

― 新型コロナウイルスの感染拡大が本格化してきた2020年2月以降、全国的にマスクが手に入らないという状況が続いている。ドラッグストアなどの店舗ではほとんどが品切れとなっており、希に入荷してもすぐに売り切れてしまう状況で、数少ないマスクを求めて、開店前から長蛇の列になっているところも多い。(中略)

 マスクの多くはコスト面から中国製となっており、中国からの出荷が滞るとそもそも製品を調達できない。(中略)

 (菅官房長官は調達できると明言したが)輸入に依存している状況で、すぐに増産するのは困難であり、国民にウソの説明をする結果になった。今回のコロナ危機では政府に対する不信感がこれまでになく増大しているが、こうした安易な説明が不信感を拡大しているのは間違いないだろう。

 4月に入ってからは医療機関のマスク不足も深刻になっており、場合によっては医療体制の維持に影響を及ぼす可能性も出てきている。

 日本の大手企業の中には、国家に貢献することを声高に標榜している企業もあるが、深刻なマスク不足を受け、真っ先にマスクの生産を行うと名乗り出たのは、もはや外国企業となったシャープや、徹底した消費者主義で、国家権力とはほぼ遠い場所にいるアイリスオーヤマといった企業だったというのは皮肉というよりほかない。―

 

増産が難しい状況で、ウソの説明をする結果となった日本政府。

その政府から遠い距離にあるシャープやアイリスオーヤマなどの民間企業が救いの手を上げる、というのは、いったい日本の経済はどうなっているのか?

加谷氏の解説は続く。

    パートさん手作りのマスク。これで私は助かってます。

 

つづく