コート、コート、コート・・・・コートについて思い出すことⅠ
間もなく冬も終わる。
コートといえばやはり冬の衣料である。
「春先に着るスプリングコートは・・・」などといったテーマで、雑誌などでも盛んに取り上げられているが、実際に着る機会は少ない。
近年は、春を通り越して夏が突然やってくる。
昔は今よりもずっと秋口や春先の季節の違いが明確だった。
9月10月は朝晩冷え込んでくるので、なにか1枚羽織るものが欲しかったし、3月4月は花冷えの日もあるので、先述のスプリングコートが必要だったのである。
そこに、ちょっとしたお洒落のバリエーションがあった。
今では9月はまだほとんど夏の気温だし、10月になってもなかなか秋の気配は見えない。
反対に春は3月くらいまでは結構寒いなあ、と感じていてもゴールデンウイーク前くらいになるといきなり汗ばむ季節がやってくる。
まあというわけで、コートの出番はほとんどが冬ということになってしまった。
しかし、その冬も今年みたいに暖冬だったりすると着る機会はめっきり少なくなる。
また近年は、建物の中の空調が効き過ぎていたり、私のように田舎暮らしは車での移動がほとんどなので、なおさら重たいコートを着る機会が減っているのだ。
とはいえ、クローゼットを覗いてみると、そこそこの数コートも所有している。
消耗品であるシャツやパンツの類は、これまで何百枚何十本消費してきたかわからないが、コートなんて重衣料はそんなに買っちゃいないだろう、と高校を卒業して大学生になったころからの自分を思い出してみた。
そうすると、記憶に曖昧なところもあるが、結構な数、着潰してきたことが判明した。
いつどんなシャツを買ったか、ズボンを穿いたか多すぎてもう思い出せもしないが、コートの記憶をたどることでちょっとした自分史を書けそうな気がしてきたのである。
「あのとき、あんなコートを着ていたなあ・・・」
というのは、他の衣料よりもちょっとだけ重たい記憶として残っているかも知れない。
もっともコートの話だから、もっぱら寒い時期のエピソードになってしまうとは思うが・・・
今欲しいと思っているダッフルコート
つづく