きっと「乾杯」をしないわね!!―日本はまだまだ遅れているのか・・女性の地位について考える―Ⅵ
また、もうひとつの挨拶である乾杯の音頭の際の
「(新郎の)飲み会や休日の接待ゴルフを(新婦である)今日子さんが認めたら、乾杯しよう」
という呼びかけに至っては、軽いジョークのつもりであろうが、あまりのセンスのなさに、いささかあきれてしまう。
この挨拶をされたご本人は、もともとゴルフや接待の飲み会などがお好きな方なのだろうか。
しかし、この手の発言は相当の反発(特に女性たちからの)を受けることを覚悟した方がいい。
私も、たまたまおしゃべりする機会のあった知り合いの女性3人組に、今回書いた内容を話したら、彼女たちは
「主賓の挨拶の方は、まあそんなことを言う人もいるだろう、と聞き流すだけだけど、ゴルフの方はちょっと許せない。きっと「乾杯」をしないわね。」
と、言っていた。
女性は(特に育児中の場合)自分だけ置いていかれることを、極端に嫌うのだ。
まあ、育児の大変さを考えれば当たり前といえば当たり前の話だろう。
そこの琴線に無神経に触れてしまうと、こんな風に相当な反発を覚悟しなければならないことになる。
「男は「企業戦士」として、外に出たら様々な敵と様々な形で戦わなければならない・・・それは体当たりの営業であったり、接待の飲み会やゴルフであったりといろいろだ。だから、女性はそれを黙って後ろから援護しろ!」
などという理屈は、もう通用しない。
特に女性も働いている場合は、「こっちも一緒よっ!」と、一喝されるだけだろう。
というか、そんなことは当たり前の世の中にとっくのとうになっているにもかかわらず、相変わらず昔ながらの紋切り型の挨拶がまかり通っていることが驚きである。
また、境野さんが書かれていたように、そのことに対する提言にお門違いの反応が多かった、というのも残念な話である。
つづく