「就活コスプレゲーム」はもうオワコンー改めて日本型企業文化について考えるーⅠ
米国在住の作家・冷泉彰彦さんが自身のメルマガで、学生たちが就職活動時に黒いスーツに身を包むという「文化」を今すぐ止めるべきとし、その理由を記しています。
冷泉さんはこれまでも「日本企業に蔓延する『ビジネス謎ルール』が国の衰退を加速させる」等で、日本企業が抱える問題点を指摘し続けてきました。
その指摘と批判の内容が、今の日本の企業文化の問題点を鋭くえぐりだしていると感じたのでここで取り上げてみたいと思います。
それは以下のような書き出しで始まります。
―就活の黒スーツ、一刻も早く断ち切らねばならない理由
別に学生を批判するつもりはありません。
限られた予算の中で、汎用性を考えれば「黒」になるという極めて現実的な判断は、当然といえば当然だからです。
そうではないんです。
バブル期のように、灰色やネイビーもいいじゃないかとかそんな話ではありません。
とにかく就活の時点では、就活生は学生です。
だったら、スーツ姿ではなく、自然体のカジュアルでいいんじゃないでしょうか?
無理に就活スーツを着るという文化、これは一刻も早く止めるべきです。
何故なのでしょうか?
それは、スーツを着て、ぎこちない尊敬語を使い、謙譲語を操る中で「私は旧世代の経営者に服従します。反抗するような危険人物ではありません」ということを必死にアピールするという「就活コスプレゲーム」がもうオワコン(注)だということなのです。―
(注)オワコン:もう終わっているコンテンツ、ということ
なるほど、就活時の黒スーツが
「私は旧世代の経営者に服従します。反抗するような危険人物ではありません」
という服従のアピールとは、これまであまり考えたことがありませんでした。
学生の方も
「みんながそうしているから、あまりあれこれ考えるより自分もそうした方が無難だろう。」
というくらいの意識だったのではないでしょうか。
そう考えると、冷泉さんの指摘は少し突っ込み過ぎの意地悪な見方のようにも思われます。
しかし、確かに企業側がそのタイプ(服従し反抗しない)を求め、学生も素直にそれに応じる、という日本の企業文化そのものの存続が疑われ始めているのかも知れません。
つづく