子どもの頃が良かっただけに・・・―「やせ我慢」を尊重できるのは大人の証(あかし)―Ⅱ
両親が離婚するのが悲しい、というこの女子大生の人生相談。(「読売新聞」では「人生案内」となっています。)
相談内容は、以下のようなものである。
―両親は一昨年から別居しています。
理由の説明を受けましたが、頭で理解しても心がついていきません。
授業の最中に涙が止まらなくなりました。
街で家族連れを見ると、幸せだった子どもの頃を思い出し、また泣けてしまいます。
今おつきあいしている人とも、きっと別れがくるのだろうと思うと、別れてしまおうと考えてしまいます。―
すごく悲しい、と相談してきているものの、ご両親は既に別居して2年は経っているようだ。
それでも心の整理がつかない、ということは、ここに書かれているように、よほど子どもの頃、幸せないい思い出があるのだろう。
小さな頃から両親が不仲で不幸だった、といった、よくある人生相談とは逆のパターンだ。
この女性の場合、子どもの頃が良かっただけに余計泣けるのだろうと、読んでいて心が痛い。
ただ、不幸の連鎖というか、自分も分かれてしまった方がいいのではないか、というのは飛躍し過ぎのような気もする。
しかし、まあこんな状況に置かれていれば、若いうちはそんな風に考えてしまうのかも知れない。
離婚家庭の子弟に、やはり離婚が多いのはこういった心理を反映してのことなのだろうか。
いや、幸せな子ども時代を送っていればやはり逆だろうと思う。
この女性の場合、そう同じようになりたいのに、今異なる現実を突きつけられて、悲しみが増幅しているのかも知れない。
つづく