家族のだんらんや健康、グーグルではたどり着けない発見―代償は生産性3分の1・・・―Ⅶ
さて、ここまでGAFA断ちで散々な目に合ってきたこのコラムの筆者であるが、逆に良いことはなかったのだろうか?
その点について、彼は次のように書いている。
― 一方、GAFA断ちで良かったこともある。
「家で2人でいても、スマホをいじらなくなったよね」。
妻との会話はぐっと増えた。
図書館では「GHQ焚書」など興味深い背表紙が目に入り、グーグルの検索結果ではたどり着けない発見があった。(中略)
今まで家族のだんらんや健康を、知らないうちに失っていたのかも。
そう気づかされた。―
私は
「デジタル世界が発達してきた一方で、生のコミュニケーションは煩わしいと感じ始めているのだろうか。」
と先述したが、GAFA断ちをすることで、生のコミュニケーションの良さがわかるということもあるのだ。
そもそも「それで当たり前」と思うのだが、あえてGAFA断ちのような荒療治をやらなければそれに気づけないほど、我々はデジタルネット社会に取り込まれているということなのだろうか。
それから、グーグル検索ではたどり着けない発見、というのも興味深い。
あえて「GAFA断ち」を決行して、わざわざアナログ世界に飛び込まなければ、気がつかなかった世界である。
逆に、GAFAとはほとんど無縁の世界で生きている人にとっては「何を大袈裟なことを言っているんだ!」ってことになるのだろう。
しかし、この筆者のように、データを駆使して生きている特に若い世代の人には、それほど深く入り込んでいる、ということになるのである。
つづく