日本の優位性に黄色信号が灯っているBtoB―BtoB企業の現状に学ぶマーケティング―Ⅰ
現在、日経新聞の「やさしい経済学」というコーナーにおいて「BtoB企業とマーケティング」というコラムが連載されている。
800字ほどの短いコラムであるが、毎日興味深い見解が綴られているので、紹介したうえで、私の感想なども述べてみたい。
コラムの筆者は中央大学大学院の庭山一郎客員教授で、インターネットで検索すると以下のように紹介されていた。
―1962年生まれ、中央大学卒。
1990年9月にシンフォニーマーケティング株式会社を設立。データベースマーケティングのコンサルティング、インターネット事業など数多くのマーケティングプロジェクトを手がける。
1997年よりBtoBにフォーカスした日本初のマーケティングアウトソーシング事業を開始。
製造業、IT、建設業、サービス業、流通業など各産業の大手企業を中心に国内・海外向けのマーケティングサービスを提供している。―
これを見ると、プロの学者ではなく、民間の企業家でマーケティングのプロであることがわかる。
著書などもあるようだが、今回のコラムではBtoBのマーケティングについてわかりやすく解説されている。
BtoBとは言うまでもなく、法人向けのビジネスのことであり、一般消費者を相手にするBtoCと区別されている。
日本企業は、従来このBtoBに強いと言われており、私もそう思っていた。
かつて、すべての分野に強かった日本企業が失速した一つの原因に、
「消費者のニーズを的確につかむマーケティング(BtoC)の手法に後れをとったからだ。」
というのは、よく言われるところである。
しかし、それでも日本経済が完全に失速しないのは、
「まだBtoBにおいて圧倒的な力を持っているからである。」
と聞いていた。
ところが、そのBtoBの世界においても、日本の優位性に黄色信号が灯っている、というのだから、これは見逃すわけにはいかない。
次回から、庭山教授の見解をもとにこの課題に触れていきたいと思う。