年を重ねてくると「定番」が大事―私が「素材」にこだわる理由―Ⅱ

さて、話がそれてしまった。

自分の着る服を選ぶとき、色、デザイン、素材の3つの条件のうちどれを一番に優先させるのか、というテーマであった。

私は「素材」を重視すると書いたが、それについて触れてみたい。

何故私は「素材」を一番に重要視するのであろうか・・考えてみた。

 

そこには次のようなキーワードが考えられる。

・普遍性

・快適性

・優美性

といった点になるだろうか。

 

まず「普遍性」というのは、いい素材の場合、時間の経過に耐えられる、ということである。

多少、年数を経たとしても見た目が「貧相になる」というより「味が出てくる」といった変化を遂げるケースが多い。

 

ペナペナの安い素材では、「使い捨て感覚」でしか取り扱う気になれないのではないか。

長く愛用したければ、いい素材にこだわる必要がある。

 

尤も、流行の変遷の激しい現代にあって、ファストファッション系のブランドでは「使い捨て」が当たり前の感覚になっているようにも見える。

「長く愛用する」という考え自体、時代感覚的には合わないのかも知れないが、私はそんな風に考えたいのだ。

 

ただ、男性の場合、女性と違って流行の変遷はそこまで激しくはない。

特に年を重ねてくると「定番」と呼ばれるベーシックなものがワードローブの真ん中にあるとコーディネートがやりやすいのだ。

その「定番」と呼ばれるものについて、いい素材のものは、購入時に多少割高であっても、長く使うことができるので、返ってコストパフォーマンスはいいのではないか、と思っている。

 

これは定番中の定番。ハリスツイードのヘリンボーングレイのジャケット。

 

つづく