家電メーカーの分析により日本企業の問題点を洗い出す―その原因と解決策―Ⅱ
まず、分析の最初のタイトル
・昭和時代 技術が価値に
技術が価値そのものだったのは昭和の時代の話、という分析です。
技術が今でも高い価値を持っていることに違いはないのですが、日本の場合そこを過信し過ぎた。
というより、技術の周辺にあるより大事な戦略の構築を怠った、という分析をされているので以下ご紹介したいと思います。
― 日本の電機メーカーの技術は相変わらず強いと思います。
ただ、技術そのものを売るわけではなく、売るのは商品です。
技術で負けたわけではないのに、技術を強くすれば、かつてのように復活できると考えました。
そして、さらに技術への投資をした。
これが空回りの原因です。
昭和の時代は、技術がそのまま製品の価値につながりました。(中略)
半導体やブラウン管テレビも、技術が進めば価値が上がる、というシンプルな関係でした。
当時、日本勢は、技術開発に没頭すればよかったのです。―
ここのキーワードは、何といっても「技術そのものを売るわけではなく、売るのは商品・・」というフレーズでしょう。
例えば、どんなに性能やスペックが優れた車を作ったとしても、デザインがダサければ絶対に売れません。
完成された商品に、性能、機能、デザイン、形状、使い勝手、質感、色、大きさ、そして価格、といった総合的な魅力がなければ売れないのです。
これはいわばマーケティングの世界です。
現代の市場(マーケット)は、それほどシンプルではありません。
昔に比べて多様化、複雑化しているのです。
日本企業は、その多様化し、複雑化した市場に対する総合的なマーケティング戦略に弱かった、ともいえるのでしょう。
つづく