新聞の人生相談欄から―障害について考える―Ⅴ

この相談に回答なさったのは大日向雅美氏、肩書は大学教授となっています。

インターネットで調べてみますと、心理学者であり、恵泉女学園大学の学長をなさっている私より2歳年上の女性でした。

 

この方のご回答が素晴らしかったのでご紹介しようと思います。

障害のある子供のことを祖父母に伝えるかどうか悩んでいる男性相談者に対して、その大変さをねぎらったうえで次のように述べておられました。

―打ち明けることで関係が壊れることを心配しておられますが、むしろ、落胆するような反応であっても、あなたにそれを受け止める自信があるかどうかが、本当の問題なのではないでしょうか。―

・・・・これは私や家内が最初に感じたことでした。

 

そもそもが、祖父母の問題なのではなくて、この子供に全責任を持たなければならない親の立場にあるこの相談者自身の問題ではないか、と読んだ瞬間感じたのは私だけでなく家内も同じでした。

 

大日向氏の回答は続きます。

―おじい様たちがご長男のことを理解してくださるかどうかは正直なところわかりません。

伝えるのに最適な時期は、相手によるのではなく、どのような反応が返ってきても受け止めることができると、あなた方が感じることができる時だと思います。―

 

これはとても重い回答だと思いました。

障害を抱えた子供と生きていくための親の覚悟のようなものが問われています。

「それが足りない!」と、ただ非難するのではなく、親にはその自覚が必要なことを、短い言葉の中できちんと伝えておられます。

 

 

つづく