「広告宣伝費」や「接待交際費」が悪いのか?―販売促進や広告宣伝について改めて考える―Ⅱ
過疎化高齢化が急速に進み、地縁血縁ベースのモデルを脱しないと商売は成り立たなくなってきた地方において、新たな顧客を獲得するには広告宣伝活動が必要、と書きました。
ところがそもそも、この広告宣伝にかける費用、即ち「広告宣伝費」に対しては、以前からおかしな認識があります。
売上が落ちてきて利益を上げることが難しくなり「何か経費を削らなければ・・」という課題が出てきたときに、「接待交際費」と並んで必ず槍玉にあがるのが「広告宣伝費」なのです。
例えば、業績が振るわず赤字決算のとき、担当の税理士などはほぼ異口同音に
「社長、接待交際費とか広告宣伝費を見直して、無駄な経費を使わないようにしなくちゃいけません。」
といったアドバイスをするのではないでしょうか。
私は、これには昔から疑問を持っていました。
どうしても違和感が拭えなかったのです。
「売上が落ちて業績が振るわなくなったのだとしたら、肝心な広告宣伝費を削っちゃダメでしょう。何故なら売上が落ちちゃったんだから!・・・回復させるためには、むしろもっと広告宣伝に力を入れて売上を確保するように努めるべきではないのですか。」
と言いたいのです。
接待交際費についても同様です。
「売上が振るわないのだから、もっと積極的に接待やら交際やらを増やして、売上に繋げられるように社長が努力しなければダメでしょう。」
と言いたいのです。
それでは何故、「接待交際費」や「広告宣伝費」が真っ先に槍玉にあがるのでしょうか。
それは「接待交際費」や「広告宣伝費」を本当に必要だから使っている、という認識がないからです。
或いは「接待交際費」が、本当は本来の目的ではなく、無駄に使われているということを経営者自身が知っているからではないでしょうか。
つづく