地縁血縁商売からの脱出―販売促進や広告宣伝について改めて考える―Ⅰ
私は、現代の企業活動において、販売促進(SP:セールスプロモーション)や広告宣伝(PR:パブリックリレーション)は極めて重要な取り組みの一つと考えています。
ところがこれまで、中小企業、特に地方のそれにおいてはこういったことへの意識があまり高いとは言えませんでした。
多少変化してきたとはいえ、基本的にはあまり変わっていません。
意識もそうですが、知識も充分とは言えない状況にあります。
もちろん、普通の中小企業経営者が、販促や広告に対してそれほど豊富で高度な知識や情報を持っていなければならない、ということはありません。
しかし、少なくとも基本的な知識とこの程度は当り前といえるだけの意識は備えていて欲しいのです。
私はこれまで長い間、地方の中小企業の支援を仕事にしてきましたが、広告宣伝に真剣に向き合っている企業にはあまり出会ったことがありませんでした。
中小企業の経営者にとって広告宣伝は、事業活動の中のほんの添え物的なポジションにしか過ぎないようにさえ見えます。
何故でしょうか。
それは、これまで何回も書いてきたことですが、地方の場合、地縁血縁をベースにした濃い人間関係の上に商売が成り立っているために、ことさら高額な広告宣伝にお金をかける必要がなかったからです。
しかし、世の中の事情は大きく変化してきました。
特に、過疎化高齢化が急速に進む地方においては、地縁血縁を脱して、これまでより広めのマーケットを設定しないことには商売は成り立たなくなってきたのです。
そのためには、顧客を獲得していくための一歩踏み込んだ広告宣伝活動が必要なことは言うまでもありません。
つづく