素朴な疑問―保守と革新、言葉の使い分けについて―Ⅰ

 

 

もう何年も前から世の中でいう「保守」と「革新」の言葉の意味或いは使い方について疑問を持ち始めていた。

政治的、イデオロギー的に言えば保守は自民党であり革新はそれ以外の野党ということになるのだろう。

 

しかし、現実にはそうなっていない。

言葉の意味を考えれば、保守というのは、これまでの考え方や慣習、行動様式などを守り変えないで行こうというものであり、革新はそういったものを変革させて行こうということになる。

 

その言葉の本質から行けば、現実的には逆の現象が起きている。

現状をいろいろと変革し修正して行こうとしているのが自民党であり、旧来の考え方や制度に固執しているのが社民党や共産党ということになる。

つまり、言葉の意味と現実が逆転していることになるのだ。

 

立憲民主党などは設立が新しいのでそこまでの印象はないかも知れないが、社民党や共産党を見て革新的な政党だと思う人は少ないのではないだろうか。

特に歴史的に長い時間これらの政党を見てきている訳ではない若い人たちは、そんな印象は全くもたないかも知れない。

 

というようなことを考えていたら、それを全面的に裏付けるような記事が新聞に掲載されていた。

読売新聞2017年12月27日付の「論点」というコーナーに掲載されていたコラムである。

 

タイトルは「若者は保守化していない」というものであった。投稿しているのは、早稲田大学の田中愛治教授で、彼の研究チームが実施した全国世論調査に基づいて書かれている。

以下、田中教授の書かれた論点を引用しながらこの問題を考えてみたい。

 

つづく