軽井沢別荘滞在記―旧交を温めた2日間―Ⅱ
「それじゃあざっと(別荘の)中の使い方を説明するから。」
というKのあとを私とMはついていく。
寝具の使い方、洗面所、トイレ、と案内は続き、いよいよ自慢のお風呂となった。
お風呂には同じく同窓生のOが進めてくれたという「十和田石(とわだ石)」という素材を使っていた。
「十和田石」はその名の通り、青森で採れるらしいのだが、緑がかった美しい石である。
この石は、乾いている間は白っぽい色で、濡れると緑が一層その鮮やかさを増す。
細かい気泡のような穴が無数に開いているらしく、石にもかかわらず、全然つるつるしない。
そればかりか、冷たさも全くなく、温かさすら感じる優れた素材であった。
広い別荘の中をざっと見て歩いても、夕飯までにはまだまだ時間がある。
我々は3階の研修室の中にあるオーディオを聞くことにした。
これ広いリビングダイニング。
K自慢のオーディオは3セット、昔から持っている機種から新しいものまで私の見たこともないような高級機材が揃っている。
KもMもオーディオのメーカーや機種に詳しい。
そればかりか二人ともクラシックからジャズ、ポップスまで音楽に精通していることに驚かされた。
今どき古臭いクラシック音楽など聞いているのは自分くらいかな、と思っていた私は少しホッとする。
新旧機種など聞き比べながら、3人でしばらく音楽の世界に浸りきる。
つづく