バーチャルとリアルの間を埋めるもの―逆転現象が起きている流通の世界―Ⅰ

ネット販売が当たり前になりつつある現在、リアルな世界にリアルな店舗を持ち、何かしらの物品を取り扱ってきた企業が、インターネットによる流通の世界に踏み出すのはごく自然な流れといえます。

特に、過疎化高齢化が進む地方の場合、マーケット自体が縮小してきていますので、ネットの世界に活路を見いだそうとするのは当然といえば当然の動きなのです。

 

ところが、ネットビジネスがこれほど発達してきた状況において、逆の現象も出てきました。

直接販売については、ネット販売のみを続けていたメーカーなどが、もともとそんなに考えてもいなかった店舗を構えてみようか、という動きです。

メーカーは通常、問屋などの2次流通にまとまった数量を販売しますので、これまでは自ら小売業に乗り出そうなどとは考えませんでした。

ところが、ネット販売というこれまでにない流通形態に乗り出したことをきっかけに、リアル店舗販売という世界にまで乗り出そうという機運が出てきたということです。

それは

リアルな店舗→ネット販売開始、という流れから

ネット販売→リアルな店舗建設、という流れです。

 

もともと店舗など必要としていなかった製造業が何故リアルな店舗を持とうとするのでしょうか。

・・・それは、ネット販売(=バーチャル世界)の背景にある実態としてのビジネスを補完し、担保するものだからです。

 

ネット販売上のシステムはきちんと構築されており、ビジュアル的にも内容についても様々な情報がネット上にちゃんとアップされていて問題ないものの、何か物足りない、ということがあるのではないでしょうか。

顧客側から見たときに、何か突き詰めたところのリアリティーに欠ける、完璧にはイメージしきれない、といった部分があるのではないでしょうか。

 

つづく