「勉強」は直接お客さんに届かない:経営者に与えられた数少ないチャンスを活かすのはやはり経営者!Ⅰ

 

事業経営を軌道に乗せて安定した利益を出し続けることが極めて難しくなった現在、経営者は周りから様々な経営手法の習得や新しい知識に関する勉強を勧められます。

 

それは、経営計画の策定であったり、経営理念の勉強であったり、従業員のモチベーションの保ち方であったりといろいろです。

 

私には、会計事務所のトップという立場があります。

そのために、顧問先の経営者に目標設定や経営計画の策定を支援したり、経費の見直しに取り組んでもらったり、と経営を上向かせるための施策については、専門性を活かして様々な方法論をお勧めしているのです。

 

これはこれで、社長が必要と感じたり或いは有効かも、と思われるものについては前向きに取り組んでもらいたいと思っています。

時間とお金が許すならば、できるだけこういった取り組みに対して常に努力するべきです。

 

ただ、これらの方法論には一つの特徴というか限界があります。

それは、ほとんどの場合、こういったことに取り組んだとしても、自らのお客さんに直接問いかけるものではない、ということです。

 

経営計画で「売上いくらいくらを目指そう。そして、利益はこれくらいを達成しよう。」といったものを作ったとします。

その内容も良く吟味されて、かなりいいものが出来上がったとしましょう。

 

それでも、それを作った時点では、その会社のお客さんとは何の接点もありません。

こちらが苦労して経営計画を立てようが、それがどれほど素晴らしいものであろうが、そんなことを知る由もないお客さんにとっては全く関係のない話なのです。

 

つまり、立派な経営計画を立てたとしても、それに基づいて行動を起こし、それが我が社のお客さんに支持され、実際売上にも反映される、という具体的なところまでいかないと意味がない訳です。

 

 

つづく