事務所の規模と管理体制:「管理」と「経営」その違いについて考えるⅥ

実を言えば、途中私は、そういった体制を作っていくために最も必要なのは「管理」なのではないか、と思った時期がありました。

事務所の最大の弱点は管理体制が整っていないことなので、ここを整備すれば事務所の発展につながる、と思ったのです。

そのために他の事務所の管理体制について随分ヒアリングし、「うちはできていないなあ・・・」と悩んだりしました。

 

ところが途中でふと気が付いたことがありました。

私が参考にしようと思ったのはいずれも私の事務所より小規模のものでした。

つまり、それは管理体制が立派というよりは、その規模でしっかり管理をしたいからそうなっているに過ぎない、ということに気が付いたのです。

税理士としては、その規模でそういった体制を敷きたいというタイプの方が多いことは確かです。

 

そう思ったとき、これは全く参考にならないということに気が付きました。

私の目指すものはまるで規模が違うからです。

 

厳しい或いは明確なルールを作って管理するというのは、組織運営の意味で必要なことではあるのでしょうが、それだけで「経営」ができる訳ではありません。

 

管理やルール作りというのはどこまで行ってもきりがない世界です。

ひとつの管理体制が出来上がって、これでよしということはありません。

必ずまた新しい問題が浮上してくるからです。

常に整備は必要なもののそこにばかり手を取られていては経営の発展はありません。

私はどうも途中、管理=経営と勘違いしていたフシがあるのです。

 

つづく