差別化としてのストーリー:経営トップの情報発信―それをやり続けるべき理由とは?―Ⅰ
私は、これまでも、経営トップが先頭に立って企業の様々な情報を発信すれば、現代経営においては極めて重要かつ有効な販売促進活動となりますよ、と訴えてきました。
そのための手段(媒体)は、インフラとしてのインターネットが普及したために、SNSなどのコミュニケーション手段が、昔に比べて格段にそのバリエーションを増加させ、且つ機能も発達しているのが現代社会です。
それでは、どうして経営トップ自らが情報発信すべきなのでしょうか。
それは、ごく単純に言えば「差別化」になるからです。
「差別化」という言葉は、現代の経営ではあまりにも頻繁に使われ過ぎていて、もう耳にタコができているような言葉でもありますが、改めて考えてみましょう。
現代社会、特に日本のそれにおいては巷にモノは既に溢れていて、すでに商品力そのものだけでは差別化が難しい時代になっています。
もちろん、基本的な商品力がなければお話になりませんが、一定レベル以上の商品であれば、更に何か魅力的な付加価値がなければ消費者は進んで選んではくれないわけです。
その付加価値としてよく言われるのはその企業のストーリー(物語)です。
その企業が営々と築いてきた成り立ちやエピソード、こだわりや歴史といったものを付加価値の一つとして売り物にして行けばいいというお話です。
それでは、そのストーリーはどうやれば伝わるでしょうか。
私はそれをあらゆる手段を講じてトップ自らが発信していけばいい、と申し上げているのです。
つづく