度量と柔軟性が大事:映画「ブルックリン」を鑑賞して―少々辛口の地方批評―Ⅳ(おしまい)
映画に話を戻せば、大なり小なりあの意地の悪い老婦人みたいな人間は必ずいます。
映画の中のセリフではありませんが
「この人は私と仲良くしたいのか、それとも喧嘩別れを望んでいるのか・・・」
田舎にいると、時々わからなくなるときがあります。
同じ地域社会の中に暮らすのですから、言葉や態度にもう少し気をつければいいものを、それが我慢できないのだろうか、と思わされます。
この子供っぽさ、未成熟なところも人々が田舎を離れていく原因の一つではないでしょうか。
私は、都会でスキルや知識を身につけた人が、たまたまこういった機会(映画では肉親の死)に田舎に帰ってくることはあると思います。
しかし、そんな人材をがっかりさせてまた都会へと追いやるのも当の田舎なのです。
地方在住の人にはもっと考えてもらいたいのです。
田舎と都会の格差は確実に広がっています。
これは日本のかなり深刻な問題です。
それを嫌だと思うのなら、決して様々な人材を排除しないことです。
地方特有の狭量な習慣や考え方で「そんな考え方はおかしい。」とか「そんなのはここでは合わん。」とか簡単に決めつけない方がいい、と心得るべきです。
あなたの知らない世界を見聞きしてきた人間の、言ったり行動したりすることが、すぐには理解できなくてもしばらくは黙って見ていればいいのです。
そうすれば、だんだん少しずつ分かってくるでしょう。
そして、それを受け入れることです。
そういった度量の大きさや間口の広さが、田舎を少しずつでも進化させる原動力になる、と、私は思っています。
おしまい