発信する中身は?:企業トップは何を情報発信するのか―会社の物語(ストーリー)は貴重な財産―Ⅰ

 

これまで、現代の企業経営は情報発信が極めて大事であり、経営者(特にトップ)は、率先してそれを行なう必要がある、と繰り返し述べてきました。

その情報発信を行なうための媒体であるメディアには、現在、様々な手段、手法があってそれを駆使することで、昔に比べて格段にやりやすくなっている、とも述べてきました。

 

それでは例えば、どんなことを発信し、訴えればいいのでしょうか。

「媒体がいろいろあるということは分かった。ただ、発信するその中身がわからないから苦労しているんじゃないか。」

という声が聞こえてきそうです。

 

では、その典型的な切り口を一つご紹介します。

例えば、社長がかつて先代(ほとんどの場合父親だと思いますが)とのケンカが絶えなかったとします。

そうすると、事あるごとに対立していたというそのことが一つの材料になるのです。

 

「そんな馬鹿な!親父とのケンカなんぞ、思い出したくもない。嫌な思いばかりさせられたんだ。」

と思う人もいるでしょう。

無理もありません。

どちらかといえばネガティブな思い出でしょうから。

 

しかし、ここで一呼吸おいて、そのケンカの原因を思い出してください。

もちろん親子の感情のもつれということは結果的にはあったでしょうが、その原因の一つが経営方針を巡る争いであったとしたら、意味のないことではありません。

 

 

つづく