成功体験という劇薬―ビジネスモデルのチェンジは図れるのか―Ⅳ
私は、経営者が本当に変わろうとしたのか検証する、リトマス試験紙のような質問があると思っています。
それは
「再び『売り手市場』の時代がきたら、また昔のように上から目線で顧客に接しますか?それとも接しませんか?」
というものです。
大抵の人は
「いやあ、もうそんなことはしないよ。丁寧に接するよ。」
と言うかも知れません。
しかし、その本当のところは、更にこう検証してみれば解明できるのではないでしょうか。
あなたは
「今思い出してみれば『売り手市場』だったあの頃でも、顧客に対してあんな接し方をするんじゃなかった。
もし、過去に戻れるものならば、態度を変えてもっとちゃんとした接客をするのだが・・・」
とまで思いますか、どうですか?ということです。
そこの本質的な反省がなければ、おそらく同じことの繰り返しになるのではないでしょうか。
そしてこれは、私の辛口の批評になるのですが、そんな風に思う(丁寧に接するだろうと)当時『売り手市場』でいい思いを経験した経営者はおそらくほとんどいないだろう、ということです。
「『成功体験』が麻薬のように頭から消えない」
という現在の事実が、そのことをよく物語っています。
つづく