隔靴掻痒のビジネス支援―直接法か間接法か、悩んだ末に―Ⅷ
ここまで書いてきたように、会計の専門家である我々が行なう経営革新支援というのは、あくまでも間接的な支援方法である。
経営者或いは社内に一度落とし込んで、あとは自分たちで考え自分たちで行動してもらう、といった手法を使うことにしているからである。
我々の専門性がかなり活かされているとはいえ、間接的なサポートであることに変わりはない。
一方、コンサルタントの行なうコンサルティングは、すべてという訳ではないが、(財務諸表(決算書)を解説する「経営コンサルタント」という立場の人もいるので)具体的なアクションの考え方、起こし方までレクチャーするところにその特徴があるといえよう。
時には現場サイドまで踏み込んで、スタッフに直にノウハウを落とし込む方法を取ることもあるのだ。
つまり、かなり直接的な支援方法ということになる。
両者の違いは、単に手法が違っているというだけではない。
会計人の行なう支援のベクトルがほぼ社内という内側に向かっているのに対して、コンサルタントの行なうコンサルティングのベクトルは企業の外側、市場に向かってのものが多くなる。
スタンスにかなりの違いがあるのだ。
それは一言でいえば、顧客の顧客、つまりお客さんが対象としているお客さんまで具体的に意識するかどうかの違いではないかと思う。
これは、お客さんにとっての市場(マーケット)という言い方をしてもいいかも知れない。
つづく