贈答文化を考えるⅥ(おしまい)

そう考えると、ビジネスで何らかのやり取りをした相手はその対象に入れないのが筋ではないか、とも思う。

まあこれは現実を無視した、ある意味極めて固い考え方なのだろうが。

 

本来、ビジネスはそれが行われ完結した時点で、お互い納得のいく関係は終了している。

また、そうでなければならないだろう。

後で、更にフォローするような形で何かアクションを付け加えるのは余計なことのような気もするのだ。

 

まあ、実際ビジネスで関連のあった人にいちいちなにか贈っていたのではきりがない。

ただ、今の日本の場合、統計的にはビジネス関係者へのやり取りの方が多いのだろうとは思うが。

 

先述の「虚礼廃止」というのは、こういうことも含めて戒めているのだろうと思う。

本筋の仕事の内容よりも、そういった挨拶があったかなかったかで、相手に対する判断が左右されるようでは本末転倒なのだ。

 

贈答文化というのはこれからも残るだろうし、内需という点ではそれなりに国内消費の大きな一助となっているのだろうとも思う。

とはいえ、私としてはできるだけ虚礼を廃したところで、今後も贈答文化というものと向き合っていきたいと思っている。

 

 

おしまい