税理士の仕事ってⅩ

それでは、会計の専門家に求められる「踏み込んだ仕事」とは何だろうか。

それは「提案」という領域であろうと私は思っている。

 

我々会計人が指摘する、アウトプットを読み込んだ高度な「判断」というレベルのサービスでも、経営者にとっては十分ありがたいのではないかと思う。

しかし、そこに「提案」が加わればこんな力強いことはないだろう。

 

経営者には我々の「判断」を受けて、次の「判断」を下さなければならない、という宿命が課されているからである。

その一助となるために、「提案」という領域まで我々が踏み込めれば、サービスとしての付加価値がかなり高まるのではないだろうか。

 

そもそも、我々が指摘する会計データ上から読み取れる「判断」は、あくまでも原則「過去」に依拠している。

しかし、経営者が下さなければならない「判断」は「未来」のものである。

 

この、経営者に課せられた未来への「判断」は格別に難しいものとなる。

何らかの「ヒント」が欲しいと思ったとしても無理な話ではない。

そのわずかな「ヒント」でも提案できれば、かなりありがたいはずである。

 

こんな風に考えることが「税理士にこれから求められる仕事」の、それこそヒントになるのではないか。

 

 

つづく