サービスの対価Ⅰ
税理士というのは、職業分類上はサービス業に分類されている。
税理士の中には「サービス」という言葉に抵抗のある人(年配の税理士さんに多い)もいるらしいが、私は分類されている通り「サービス業」だと思っている。
というのは「モノ」を売っている訳ではなく、まさしく「サービス」を提供して生業(なりわい)にしているからである。
このサービスは、近年「ノウハウ」「ソフト」と言い換えることも多い。(もちろんそれぞれの意味は微妙に違っているが・・)
日本語では「専門性」と言ってもいいだろう。
瞬間的に受け渡しの完結する「モノ」と違って、「サービス」は提供するのに一定の手間と時間を要する。
つまり、投入する「専門性」と「時間」に対して対価をいただかなければ商売にならない。
しかしながら、我々の「サービス」を受けようという人の中には、ものの見事にこの点を無視して、ほとんど蹴散らすようにズカズカとこちらの領域に踏み込んでくるタイプがいる。
ま、私の事務所でもこれまでいろいろなケースがあったが、典型的な事例としてはこういうことがあった。
ある経営者が、私と知り合ってしばらく経った頃
「自社の業績について数字の分析とアドバイスをもらえないだろうか。」
と、自分の会社の決算書を2期分か3期分持ち込んできたことがあった。
つづく