電卓と決算表

売掛金管理の徹底

 

 黒字化や資金繰り改善のためには、何から着手すればよいでしょうか。月決算の一つひとつの勘定科目の数値をよく吟味することで、そのヒントが見えてきます。例えばそれほど売上が伸びてないのに、売掛金が急増している場合は、その中味をよく吟味しましょう。

 

請求書は、毎月、確実に発行していますか?

 売掛金の回収漏れがないように、請求書は決まった様式で毎月一定日(毎月20日締め、月末締めなど)に必ず発行していますか?

 請求書の発行が遅れたり、請求内容(価格・数量、送料負担等)に誤りがあるとクレームにもつながり、それが原因で得意先の支払が遅れることにもなりかねません。

 では、どのような対応策が考えられるでしょうか。管理のポイントとしては以下の通りです。

 

売掛金管理のポイント

・売上や返品・値引きの情報が営業から経理へきちんと伝達され、漏れなく処理されている。

・請求書は、決まった様式で毎月一定日に必ず発行している。

・送料の負担(自社か相手先か)が明確になっている。

・得意先ごとの売掛金残高を確認し、回収遅れがあれば、すぐに対応している。

 

得意先ごとの売掛金残高を確認していますか?

 得意先ごとに売掛金残高を確認し、回収遅れがないか確認します。そして、回収が遅れている得意先については、遅れている原因責任者をはっきりさせ、いつ、どのように回収するか、対応策まできちんと決めましょう。

 また、回収遅れの原因が自社にあるような場合は、早急に手を打ちましょう。

 

自社に原因がある例

・回収遅れに対する責任やルール等が不明確なため、対応が遅れている。

・営業担当者が成績アップのため、支払のよくない取引先にも販売している。

・自社のクレーム対応等が不十分なため、取引先から支払を見合わされている。

・返品や値引などの漏れや請求金額の誤りがあり、取引先から支払を見合わされている。

・営業担当者への業績評価が売上のみで回収が評価の対象になっていないため、回収が疎かになっている。

 

最後に、未回収の長期売掛金は金融機関から不良債権とみなされる可能性もあります。売るだけでなく、きちんと回収までスムーズに行えるように態勢を整えましょう。