巨人石津謙介のことⅠ
今、「アイビーは、永遠に眠らない」―石津謙介の知られざる功績―(株式会社三五館 花房孝典著)という本を読んでいる。
先日本屋にふらりと立ち寄ったとき、面白そうなので購入した。
花房氏は生前の石津謙介氏と深い交流のあった人で、石津氏への敬意に溢れた著作となっている。
こういうのをまさにオマージュというのだろう。
さて、石津謙介氏は言うまでもなくファッションブランドVANを起ち上げた人物である。
日本のメンズファッション界に大きな功績を残した人なのだ。
というより、日本におけるメンズファッションの世界において、彼の功績に匹敵する人はまず皆無であろう。
思春期の頃VANの洗礼を受けた私なども、常に敬愛する対象だったのである。
石津氏自身による著作はもう何冊も読んでいたが、他者が書いた彼の評伝を読むのは初めてであった。
著者の花房孝典氏は、石津謙介氏の晩年最も私的交流の深かった人で、石津氏のプライベートな評伝を著すには他の誰よりも相応しい人物であろう。
本人も書いているように、石津氏の経営者としての功績や産業界への影響などを含めた正伝はまた別の人によって違う形で出版されるかも知れない。
石津謙介はそういった著作が出ても不思議ではないレベルの人物だと私も思う。
つづく