親の愛というものⅠ
よく「母親の愛は、空よりも広く海よりも深い。」的な言葉を目にする。
これは「母の愛とはそんなものだ。」というよりも「そうあって欲しい。」という願望の表れであろう。
そうとでも解釈しなければ納得できないような事実を最近特によく見聞きするのである。
確かに人間の数だけその母親は存在する(当り前の話だが・・)のであって、そのすべてが善意や慈しみに溢れている訳ではないことは、少し考えれば容易に察しがつくはずである。
にもかかわらず、冒頭のように母性を神聖化したような表現がしばしば使われる。
特に日本においてはそうであろう。
何故こんなことを書くかというと、近年新聞の人生相談欄など見ていると、母親と子供の確執、中でも娘との確執を取り上げている割合が多い印象を受けるからである。
いうまでもなくこれらの相談は、娘からの悲痛な訴えが圧倒的に多い。
そんなことを考えていたら、読売新聞6月21日のくらし欄に「母の不満聞かされる娘」というタイトルの特集が組まれていた。
私が気になっていた現象は、私が気付いていただけではなく、実際ある種の社会現象として顕在化していたのである。
つづく