料理作りの体制がようやく整った―私が料理をいとわない理由、創意工夫が面白い?!?―Ⅲ
やむなく独り暮らしをすることになり、掃除洗濯に続いて、家事の中の要(かなめ)の一つである「料理」に手を出すことになった私。
台所の勝手がわからず、あれこれ探したものの、肝心のフライパンが見つからない。
しかもそれは、カミさんと一緒に、わざわざ数年待ちで取り寄せた「魔法のフライパン」と呼ばれる逸品であった。
私は「あれがあったはずだが・・・」と、めぼしい場所を探してみたが見つからない。
結局諦めて、デパートのキッチン用品売り場に行き、まあまあの値段のやや大きめのフライパンを購入したのである。
ところが、しばらくしてキッチンの普段使わない棚の奥の奥の方をよく探してみたら、件(くだん)の「魔法のフライパン」が見つかった。
しかも、大きめの奴とやや小ぶりの奴の2つも出てきてしまった。
「やっと手に入れたのに、カミさんは、なんで使わなかったんだろう?」
と、不思議に思ったが、自分で使ってみて、その理由がわかった。
「魔法のフライパン」が、かなり重いことに気がついたのである。
非力なカミさんには、これはちょっと使いづらかったに違いない。
まあ、とはいえ、やはりかなりいいフライパンなので、今では大小両方使っている。
おかげで新しくデパートで買った方はあまり出番がない。
このフライパンの話から分かるように、料理を作り始めた最初の頃は、作るための道具がどこにあるのか、勝手がわからなくて苦労した。
苦労した、というよりは、なかなかテキパキ進まないことにイライラしたという方が当たっているかも知れない。
まあその大いに戸惑ったキッチンのレイアウトも、今では自分なりに配置し直して使いやすくなった。
この家は、最初5人暮らしだったので、キッチンには実に多くの料理道具や食器があったのである。
カミさんは料理好きの方ではなかったが、子どもたちのためにクッキーを焼いたり、ケーキを作ったりはしていた。
料理道具の中には、そういったお菓子作りのための、特別な道具(クッキーの型抜きとか、特殊なペーパーとか)といったものもあった。
私は、このタイプの道具を使うことはなさそうなので、普段使用していない棚に一カ所にまとめて片付けた。
こんな風に、最初ちょっと悪戦苦闘したが、私の料理作り体制はようやく整ったのである。
大きい方のフライパンいっぱいに作ったピーマンの肉詰め
つづく